【あとがき解説】ソロモンMAD振り返り

前略、今年もAnipafeというイベントに参加をさせて頂きました。

今回は特に書くつもりも無かったのですがなんか書いてます。という訳でサクサクと。

 

■前提のお話

今作はゲームの主人公である藤丸ではなく、FGO第一部のレギュラーキャラクターであるロマニ・アーキマンとロマニを説明する一要素としてマシュの二人をメインにしたMADになります。

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ロマニを主役に立てた理由については、元々好きなキャラクターであることは勿論ですが、個人的な解釈として「バビロニア」「ソロモン」のアニメ作品2本を通した時の主役が作品の構成上ロマニであったと考えた為です。

 

バビロニア単体で観た時の主役は当然藤丸とマシュの2人になっていたと思いますが、バビロニアの0話が前日譚としてロマニメインのシナリオとなっていたり、バビロニア本編においても合間合間に藤丸やマシュの成長を見守るようなロマニのカットが細かく挟まっていたりと、なんとなくアニメスタッフの意図がそういうことなのではないかと感じた次第。

 

ついでにここでロマニというキャラクターのバックボーンを簡単に説明します(※ネタバレ有)。

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物凄く端的に言うと、サーヴァントであるキャスター・ソロモン王が聖杯戦争に勝利し、「人間になること」を聖杯に願ったことで人間になった姿がロマニとなります。

人間になったは良いものの直後に「世界が滅ぶ」未来を予知してしまい(これはソロモン王の力の名残)、なぜ滅ぶのかも分からないままそれを回避する為に奔走し続けカルデアに辿り着きマシュの主治医となる、というのが本編前のお話。

 

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物語上の立ち位置としては主人公である藤丸とマシュの所属する組織の臨時トップ/上司であり、かつ気の置ける保護者に近い存在だったような気がします。(エヴァ初期のミサトさんとかが近いかも?ぼかしてはいますがその最期に関しても。)

 

■選曲

使用した曲はvivid undressの「yours」という曲になります。

同じ界隈で活動されている方は色々と察する人も多いかもしれませんが、

↑こちらの好きMADから知った曲になります(suki)。

 

とは言え、他の方から影響を受けての選曲には常日頃から若干思うところもあり、曲への解釈含め自分なりに色々と考えてはみたつもりです。

後述。

 

 

特定のキャラクターやテーマに充てて歌詞合わせをする際は「歌詞の中の登場人物」を把握してイメージすることから始めることがしばしばあります。

 

今回yoursの中に登場すると考えた登場人物は大きく分けて「僕」と「君」の2人。

歌詞の中の一人称は一貫しているので、構成上の目線も僕(ロマニ)に絞っています。

 

ちなみに一人称「僕」/二人称「君」は作中のロマニとも同一なので、作品を履修していない人にもふんわり歌詞合わせの意図が伝わりやすく、履修している人には没入感が増す要素にもなるんじゃないかという打算もありました。

 

ここでの「人称」と「目線」の意識を元に、後述のテーマも設定しています。

 

■テーマ

Anipafe参加作ということで今回も「テーマ」を設定しました。

今回に関してはテーマに関して思うところもあり、去年までと比べると(比較的)真面目にテーマについて考えています。

 

具体的に言うと、昨年のテーマ設定は

選曲 ⇒ 構成 ⇒ 編集 ⇒ 完成 ⇒ 完成品を見てそれっぽいテーマを設定

 

でしたが、今年は

選曲 ⇒ テーマ設定 ⇒ 構成 ⇒ 編集

のフローで考えています。

「当たり前では?」と思う方もいるかもしれませんが私は去年上の感じでした(恥)

 

 

今回MADのテーマとして設定したのは「独白」(同時期上映されていたキャメロットの主題歌名を持ってきています)。

「独白」とはつまり「独り言」のこと。

 

「yours」という曲の歌詞を使った「ロマニ・アーキマンの独り言の妄想」こそが今回のテーマの本質であり軸となります。

 

全体の構成としてロマニとマシュの2人がメインのMADとなりますが、マシュがメインで映るシーンであってもMAD内での歌詞はどこのシーンで切り取ってもロマニの一人称がなんとなく崩れないよう配慮。

 

テキストに関しても、冒頭のソロモン王のマスター(マリスビリー)からの問い掛けを除き、「」はロマニ、#~はロマニ(ソロモン王)自身の自問自答をイメージしています。

 

原作では一切言ってないけど歌詞は全てロマニが独白として残していたものという解釈(だからユーザー目線では知らなくても別に矛盾はない、真理の脳内にはある)。

今回の存在しない記憶はある意味選曲とコンセプトそのものという訳です。

 

 

■サブテーマと構成について

上述のテーマとコンセプトに沿って作ってはみたものの、作っていくと当然ながら構成中の意図や、テーマ以上に「それっぽい」テーマが出てきてしまいました。

 

テーマエントリーは上述の独白でいくと予め決めていたので、以下については便宜上「サブテーマ」とします。

 

サブテーマ①:願い

本MADでは若干くどいくらい「願い」「wish」というワードを強調しています。

 

ソロモン王の願いは「人間になること」

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マシュの願いは「本物の空を見ること」

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ここまでは原作シナリオ上で言及されています。

では、ロマニ・アーキマンの願いは何であったか。

 

藤丸とマシュの未来を守ること」「マシュに本物の空を見せること

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が最終的なロマニ自身の願いであったというのが私の解釈となります。

(ロマニの「願い」は本編中で具体的に語られたものではなく、「叶った」という結果だけがダヴィンチから語られている為、上記は諸々の要素からの考察です)

 

FGO第一部には上記「3人の願い」があったという解釈の元、所々のテキストや演出はその解釈をベースに構成しています。

 

サブテーマ②:人成

前提のお話で少し言及しましたが、ロマニは実際のところ人の心がよく分からない王様がそのまま人間になった人でなしだったと思っています。

またそれ故に、マシュとの関係性は保護者であると同時に成長していく鏡の様なものでもあったと思っています。

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途中マシュが駆けている謎空間は「マシュが人に成っていく過程」を表していると解釈(MAD内で意図的に差し込んでいますが、主人公である藤丸と出会う直前にもほぼ同じ構図のシーンもあり、それを踏まえた構成です)。

 

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2:31のシーン、マシュの手前は無人なのに波紋が出来ています。

これはアニメオリジナルの描写の為想像の域を出ないのですが、個人的にロマニの足跡を表しているんじゃないかな、という解釈をしました。

 

「マシュが人に成っていく」のを見ながら、「それを見るロマニ自身も人に成っていく」というのがアニメで強調されていたFGO1部の1つのテーマだったのでは、という解釈です。

 

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マシュが謎空間を駆けていくシーンは繰り返すことで強調しつつ、序盤のシーンでロマニの類似の謎空間シーンも入れることで対比も意識、といった感じ。

 

自分で見て触って確かめて心感じるままに君が選んでいくんだ」等途中途中の歌詞はマシュとロマニ双方に掛るよう意識して構成しています。

 

長々と書きましたが、今回突発的にこの題材でMADで作ったのはタイミングよくソロモンの映画を観たというのに加え、「ユーザー以外でも大筋を解釈できるFGOMAD」というのを作ってみたかったのがあったりします。

 

実際のところ大半の方はFGOをよく知らないながら色々な解釈のもと動画を考えて視聴頂けており、感謝の至り。この場を借りて御礼申し上げます。

 

とはいえ部分部分スピンオフ漫画の静止画で凌いだりしましたが、円盤を待ってからの方がより分かりやすいMADを作れた可能性も。。。?

考えなしも良くはないですが考えすぎというのも考えものですね。。。

 

2部6章に関しては選曲自体のアイディアはあるのでそのうちに。

スィーユーアゲイン。

【よりぬき真理さん】第10回ANIMAAAD祭好きMAD10選感想【濃い口】

前略、今年も年末のANIMAAAD祭というイベントに参加させて頂きました。




今回は個人作のFGO(地獄界曼荼羅)だけでなく、ありがたいことに最高に楽しいメンバーの十人合作にもお誘い頂き、生放送で流して頂いたり色んな窓でご一緒に視聴したり実況したりと例年以上に楽しく参加させて頂きました。

ちょこちょこ他の方の参加作も拝見しておりますので、自投稿以外のお気に入りの作品を少々抜粋して少し多めに感想を残しておこうかと思います(各作品クオリティの順位というよりは純粋な個人的好みによる抜粋です)。
第10回なので10選、キリがいいですね(?)











ゆるゆり】部屋と私とラムレーズン【MAD】 シャンリーさん


いい存在しない記憶キメてるねぇ!!!
シャンリーさんのMAD全般の個人的に好きなところなのですが、多彩な演出や技法も大体の場合何かしらの意図を感じられます。

今回は特に背景となる完全オリジナルの設定(強めの幻覚)があり、そこにしっかりと軸を通した構成と選曲にもなっていてとても好きです。

詳しい解説はシャンリーさんご自身の解説記事をご覧頂くのが良いかと思います。
https://ameblo.jp/shangliamd/entry-12645231462.html


初見の際は「たまたま京子がいない日」くらいを想像していたのですが、まさかの引越し...!
結衣⇒京子 の重めの感情を表現する下地の段階で徹底しています。

直近で鬼の様に着手していたデザインの研鑽・知識の収集の成果かどのシーンを取っても情報が観易く、お洒落で目が離せません。

元々多彩だった表現のボキャブラリも短めの尺の中で存分に活かしており、何度でもループして観れますし考察が捗りました(自作業は捗りませんでした)。


【静止画MAD】最後の夏、君を想い僕は死ぬ【三日間の幸福】 柳さん


ラーメンマイスターこと柳さんです。

日々のラーメンライフから生まれたとは思えない程に綺麗なMADです。

こちらは原作は全く知らないんですが、今回原作未読未視聴のMADの中では一番好きだったかも。
どちらかというとシンプルめな作りだと思いますが、テキスト選び、歌詞合わせや構成の部分が非常に丁寧で作品のストーリーや主人公とヒロインのバックボーンがとても伝わり易いです。

各演出に関しても必要な要素をしっかりと選んで使っている感があり、花火のシーン(2人にとって特別なシーンなのかな?)や炎の絵画(主人公にしか出来ない価値の付け方?命の灯火的な?)等、こちらの想像で印象的なシーンや大まかな話の筋を補える感じがあったと思います。

また、原作を知らないながら選曲もかなりマッチしていたと感じます。
後半の歌詞の「人生最後の日~」と主人公の切ない独白の畳みかけがとても好き。。。


【MAD】おやすみカーニバル!!【魔王城でおやすみ】 DSKさん


ピリカピリララ!!!!
音合わせの匠として名高いDSKさんですが、歌詞とシーンの合わせもやはり精密でお見事過ぎる...!同選曲のMADを多数観てきた世代としてはかなりツボなMADでした笑

この曲のMADを見慣れていると途中途中の歌詞で「誰が来るんだろう?」とか構えてしまうあるあるを個人的に提唱していますが、分かっていてもフフッてなってしまいます。予測可能回避不可能っていうやつですね。

また裏話的な話を一つすると、こちらの作品は同時期にご一緒させて頂いた十色合作の担当パートがひと段落したANIMAAAD開始ギリギリのタイミングで作り始めていたという認識でした。
「時間がないのでクオリティは半端なものが上がると思う.....」みたいなことをボヤいていた様な気がするのですが、どういうことなんでしょうね?


【MAD】ヴァイオレット・エヴァーガーデン【イトシキミヘ】 MARCOさん


これが世界...!
ヴァイオレットMAD日本代表というとこの方、みたいなとこありませんか?私はあります。

なんとなくMARCOさんの作風としては怒涛のカット割りの勢い最高なMADか、キャラクターの感情を丁寧に読み解いた歌詞合わせでしっかり描写するMADの2パティ~ンがあると思っていますが、今回は後者の強みを存分に活かした方向だったと思います。

ヴァイオレットや少佐を軸に作られたVEGのMADは結構お見受けするのですが、こちらは各話ごとのキャラクター1人1人にまで細かく歌詞を合わせて表現しており、色々と思い出して観返したくなりました。文字通り作品の隅々を愛している感の伝わってくるヴァイオレットMADだったと思います。

また、これは確証ではないのですが、なんとなく最新劇場版(の予告映像)を使用した結のパートはまあこさんの独自の解釈によるイフに基付いて構成しているような気がしました(「生まれ変わってまた出会えたら」「夢の中」等の歌詞に基づく予想)。


MAD 呪術廻戦-呪術のしるし- もんじゅさん


ナナミン!ナナミン!
呪術廻戦で好きなキャラクターは五条、東堂、ナナミンの三強です。出番多くて嬉しい。
出オチっぽい組み合わせと導入からの最初から最後まで一貫してとても丁寧な編集で終始とても楽しめましたw

個人的には間奏のところの足音との合わせが上手すぎてツボでした。
ジャパニーズビジネスマン、すき。


ドラえもんMAD】キミがいない夜 (のび太結婚前夜×帰ってきたドラえもん) 倉庫番さん



これが...ドラ泣き......!
のび太結婚前夜自体はすっごい前に一度観た記憶がある、くらいの感じです。
ですが、見事に惹き込まれました。

作画が懐かしい感じなのも相まって色々と感情にくるものがありましたね。。。

また、twitter上でお見掛けした内容によるとこのMADの背景設定は「ウソ800という秘密道具を使わなかったif」とのことで、その部分を全く違和感に感じず観れてしまいました。

こういった編集は他の方に真似できない流石の倉庫番さんという感じ。
初心者なんてとんでもない。


【MV MAD】SNOW FLAKES MEMORIES【シャニマス】 いをさん



シャニマスのヒロインは天井社長...なのか?
私自身最近シャニマスを始めた甲斐もあってか、ゲーム内の素材の使い方の巧みさ・公式の仕事感・作品愛をひしひしと感じられました。

コミュのイラストでユニットのシンボルマーク作るところとか鳥肌。
キャストの「あさひのクワガタムシ」等フフッてなる遊び心も多々。

各アイドル・ユニットの出番も上手に割り振られており、はづきさんや天井社長の出番もしっかり(というか台詞ボイス付き待遇w)で謎の感動がありました。直前でシャニマス始めててよかった。。。


あの太陽が偽物だってどうして誰も気づかないんだろう てへさん


なんというかとんでもないものを作られてますね。。。
初見時はひたすら圧倒されてしまったのですが、内容が気になったこともあり、そこまで長くもなかったので原作猫町の方も読んでみちゃいました。

サッと読んだので私自身の解釈による要約にもなってしまいますが。
猫町という短話はすごくざっくり言うと著者がある旅先で全ての住人が猫の姿をした『猫町』を『見た』という話になります。で、冒頭の前提として著者が「ドラッグをやっていた」ということが書かれています。

上記の前提を踏まえて観返すと、「夢と現実の境界線」「夢の中の世界」等のワードやしきりに出てくる注射器も意味がはっきりと理解出来ました。

要するにこのMADは終始著者から見た『世界』の景色を表現したMADなのかなと。
前半の退廃的で無味な世界は著者の目線での「現実」、後半の幻想的で美しい世界・街並みは著者の見た「夢(猫町)」といったところでしょうか?

また、著者自身は猫町を夢ではなく実在していると思っているという感じの結びだったのですが、それに関しても動画の最後に一瞬現実に帰ってきつつも猫町を思い返しており、「記憶に焼き付いたことっで境が曖昧になってしまった」という意図の構成かな?と思いました。

短編の小説の文章からあそこまで想像を広げて世界観を作り込む表現力、脱帽です。


AMV/MAD】 怪獣8号 【怪獣の花唄】 Nanatsuki さん



こちらに関しては多くを語るのは野暮な気もします。。。

変身と戦闘シーンの演出は圧巻と言えるレベルで凄まじいです。ただ派手なだけでなく、カフカのパーソナリティを丁寧に挟みつつ溜めに溜めて爆発させるサビの解放感が最高。

全体の構成に関しても、カフカに絞った軸がしっかりとしています。
並んで立つカフカとミナは何度か繰り返し出てくるのですが重要な意味を持つことが分かり、あらすじの部分を注力して見せなくてもNanatsukiさんが主題として置いたテーマがしっかり伝わります。「カフカがミナと並んで隣に立つ」為に奮起する物語、なんですよね。。。

選曲も完璧。もう「怪獣の花唄」を聞くだけで怪獣8号浮かんじゃいます。
全体的に技術だけでは言い表せない、完成されたオリジナリティをしっかりと感じました。



【合作MAD】十色【第10回ANIMAAAD祭】
ゆきのふさん、solaさんまさか!さんこばやしさんさわらさんにっちさんシャンリーさん午後の遠坂さんD.S.Kさん
真理


10本目が自分の参加合作じゃね~~か!ですって?
すみませんお許し下さい。。。


総括を言うと、とにかく楽しかったです。参加されたメンバー全員が気の置ける面々ということもあり、普段のSNSでのノリを打ち合わせの度に平時より更に遠慮なくやっている部活みたいなイメージ。

そんでもってお互いに良い意味で遠慮がないので、改善点や繋ぎの相談・改善の意見具申などもガンガン上がりました。それらの意見も実力派な布陣なので大体鋭く、具体的。

それらの意見もお互いの作風にリスペクトがあり、スタンスや方針を尊重する空気はしっかりとありあくまでも一意見として頂けるので、受け入れやすいグループだったと思います。合作童貞には贅沢過ぎるグループやでほんま。。。


視聴者目線で好きなところも挙げておくと、今作は割と細かくパートの分割をしているのですが全員個性や作風の自重みたいなのはほとんど無しw 分かる人が見れば大抵作者の顔が見えちゃうメドレーだったと思います。

また各位メドレーの曲との合わせや前後のパートとの流れ(楽しいゾーンなら合わせて楽しく、みたいな)などはちゃんと汲んでそれありきで作品やコンセプトを選んでいる点。

繋ぎに関しても各部分で連携が取れているのでどこを取っても違和感なくスッと切り替わるんですよね。みんな天才か?


なお、スペシャルサンクスということで↓の動画もご紹介させて頂きます。
【合作MAD】狼たちのラプソディ【ベン・トー
柳さん、オムカさん、垢メインさん、てんくんさん、リャマさん、Qtaさん、レンさん、激辛党さん、kyuiさん


まさかの同日同時間類似のコンセプトで、しかも見慣れた名前ばかりの強メンバーの合作が上がるとは思っていなかったので十色メンバーも大盛り上がりで更に楽しくなりましたw

こういうのがあるからイベントの参加は辞められねぇ!



今回は以上になります。

次回があるかは分かりませんが今回はこのようなところで。
スィーユーアゲイン。


【よりぬき真理さん】AniPAFE2020好きMAD4選感想【濃い口】


前略、AniPAFE2020というイベントに参加をさせて頂きました。



投稿が終わってしまえば後は投票です。

私自身は匿名投票ならではの「誰が書いたか分からない感想」というのにも独特のわくわく感なんかもあると思うので、あえて「どれに投票しました!」とかは言うことはないかな~と思うのですが、「いやいや真理ってやつこれにはどう考えても入れてるでしょ」ってのが普段の言動や作品の好みからバレバレてそうな作品に関しては投票期間終了後なら語っちゃってもいいかなと思った次第です。

(twitterや投票の感想で語り切れなかったというのも有り)。
そんな訳で4本程この場を借りて必要以上に語っちゃいたく思います。
※MAD製作者というよりはコアな1原作ファンみたいなノリなので苦手な人はブラウザバックでお願いします。










【静止画MAD】超越的学習の代価【鋼の錬金術師】 垢メイン さん

 
これを挙げずして真理を名乗れようものか!!!!!!!!

ハンドルネームからお察し頂けるかと思いますが、私鋼の錬金術師大好きなんですよね。
それこそこれまで読んだ漫画作品の中ではもう殿堂入りってくらい。
そこまで来るともはや動画製作者というよりコアな1ファンとして観ちゃいます。
そんなコアな1ファンから感謝も述べちゃいます。


演出等々はそこはもう垢さんなので、少年漫画系のソースとは相性バッチリ。安心して観れました。いやーどこをとって観てもかっこいい。

また、このMADで更に個人的に「ああいいなぁ...」となったのは構成・テーマの一貫性の部分です。初見時は漠然と「纏まっている」という感想が頭に浮かびはしたのですが、具体的にどういうことだ?と自問しているうちに「MADの中での軸の一貫性」の部分が好みだったかな、と個人的には思いました。


テーマ賞にこそエントリーはしていないですが、このMADの核となるテーマはそのままタイトルの「超越的学習の代価」だと私は解釈しています。

「超越的学習」とは、即ちこのMADの冒頭で言及される「痛みを伴う教訓」。
「その代価」は痛みを伴う教訓を経て物語を終えたエドワードが、錬金術を失った代わりに得た「鋼のような心」(動画の〆のシーン)となる訳です。(前回記事で私自身の動画の構成手法として説明させて頂いた「PREP」の型としても綺麗に纏まっていたと思います。)

イントロからラストまでの間のパートに関しても主要な敵味方のキャラクター紹介や「ここ!」というシーンは入れつつも最小限に抑えつつ、あくまでも全体で見た時の軸はエルリック兄弟からブラさない様になっていたと思います(ハガレンは魅力的なキャラクターばかりですが、エルリック兄弟が主軸だとしたらグリードや大佐に必要以上に尺を割き過ぎてもよく分からないですしね)。

また、鋼の錬金術師の全体のストーリーを「人とホムンクルス達の戦い」として見た場合のラスボスは「お父様」ですが、「エルリック兄弟が全てを取り戻す物語」としてフォーカスする場合のラスボスは「真理」になるんですよね。

ここに関しても実にラスボスっぽい真理と尺の配分でとても納得感がありました。
これには思わず真理もニッコリです。






【MAD】をかし【刀語】 ムパ さん

 
刀語警察だ!!!!!!!!!!!

ハガレンが殿堂入りの漫画なら刀語は殿堂入りなアニメです。
なのでやはり動画製作者というよりコアな1ファンとして観ちゃいます。
コアなファンから感謝も述べちゃいます。

元々ムパさんは作品にマッチした選曲に丁寧に作品に合わせてしっかり歌詞と音を拾う構成で、毎回新作が楽しみな作者さんの一人です。いやまさか刀語で作ってくれるとは。。。

雰囲気は志方あきこさんの和な感じがバッチリ。ただこの曲は私も一度刀語の選曲として妄想したことがあり(というか和な楽曲は聞いた瞬間に妄想します)、ハマるとピッタリなものの構成がかなり難しいイメージがあった選曲です。なので、まずは素直に流石だなぁと。

なんとなく熱く疾走感のある選曲が定番な刀語のMADに対し割と落ち着いた雰囲気から入りますが、構成も丁寧でしっかり引き込まれます。

途中途中の歌詞もしっかり主人公の七花とヒロインのとがめ、そして七花の姉にして中盤の大ボス七実、敵陣営の1つである真庭忍軍と、曲のパート毎に各キャラクターに丁寧に当てはめていて、「おおー...」ってなってしまいました。「恋し憎し」とかね、まさにとがめですよね。



真庭忍軍のパートに関しては刀語未視聴の方は少し唐突に見えるかもしれませんが、彼らの立ち位置は主人公とは少し活躍する軸の異なる「複数ある敵陣営の中の一つ」です。
彼らをMADの構成にどう組み込むかは結構せめぎ合いなところがあって、「アニメを視聴していない方々にとがめと七花の物語を見せる」という感じの構成なら結構あっさりめの尺配分で済まされることも多いような気がします。ですがしっかりと合う歌詞のパートに入れ込んできて「愛」感じちゃいましたね...。

彼らも彼らでとても愛着が湧いちゃうキャラクターなんですよね。いいキャラ達なのです。

そしてラスサビ。
とがめの語りからの最終決戦、とがめとの回想、締め。テンポ良く勢いも良く、全てが終わった後にはしっかりと余韻もあって「これだよこれ」みたいな感じでありました。感謝。






NIGHTMARE | 傷物語 にっち さん


Cooooooooooooooool!!!!!!!!!

傷物語のMADは切り貼り・静止画でどちらの方面で実力派と呼ばれているMAD製作者の方々の中でもそこそこ作られている方がいるので、全体的に良作が多いイメージがあります。私自身も傷物語は大好きなので自分で言うのもなんですが傷MADも割と観ています。で、その中であくまでも私個人の好みでは今まで観た傷物語のMADではトップだと思いました。

まず選曲と、それに紐づいた作品のタイプが好みです。私自身も傷のMADを作った際傷物語のMADのタイプを大きく3つに分けたのですが、(どれがいいという正解ではなく)私自身の純粋な好みとして「クールと熱血の中間」を行く雰囲気の傷MADが大好物です。このMADはど真ん中です。好き。


緩急の付け方。




キッチリ15秒で引き込まれましたとです。


アイシールド21という漫画にでも出てくる「チェンジオブペース」というテクニックがありますが、これはもうまさにそれですよね。激しく動いていたと思ったら一瞬スピードが0になり、かと思いきや次の瞬間には最高速度で引き離される感じ。


また個人的にこのMADの中で好きな部分なのですが、動のパートの中にごく自然に全く違う時系列の静のパートの映像を挟み込みつつテンポを維持しています。


自分だったら速度0の止め絵や暗転にテキストで凌いじゃうかな~~と思いまして凄く敗北感がありました。一瞬の回想みたいな演出で違和感なくシーンを入れてくる。シーン選びエグい。変態。

「センス」と一言で言うのはなんだか勿体ない気がするので「こだわり」と言いたいと思います。傷物語という作品そのものを見せつつも、大元は使用している曲の世界観、勢いを存分に表現する為の「こだわり」が見えますね。さすにっちです。






【SILHOUETTE】 Fate/帝都聖杯奇譚【MAD】 しょー さん


いやこれはもう、流石に。
何てものを。
作ってしまわれたのかと(ありがとうございますの意)。

演出周りに関してはもはや私が語れる次元ではないのですが、ご本人も仰っている通りアニメや映画のエフェクトや動きを細かく研究されており、とにかく凄いのなんの。同界隈では「アニメ作ってる」と専らの評判でしたが、私個人的には既に「アニメとも漫画とも違った何か」のような感じがしました。


構成上欲しいけどコミカライズ前というパート、どころか宝具やキャラクターに関しては、自前でCG作っちゃってますね。いやもうどういうことだ。

冒頭の掴みの見せ方、MAD内の尺の取り方的にも「聖杯戦争の苛烈さ」を「サーヴァント同士の戦い」の面から説明してくる感じ。日頃からショートPVの構成も結構研究されてるようですし、情報の引き算/取捨選択が非常にお上手で公式の仕事感を感じます。

キャスターは素材の関係もあると思いますが出番最小限の控えめですが、これもテキストやCGに手を出してまで無理に説明したりしなかったのは英断だったかもと思いました(特にキャスターは設定周りが他のサーヴァントに比べるとやや複雑なので)。


ちなみに私の個人的推しシーンは雨から快晴になってのキメシーン、「誠の旗」。
ここは原作のコハエースから履修していたら「おおおお」ってなりますし、Fateシリーズに明るくない人でも「新選組」「沖田総司」は大抵の方ご存じですよね?割と印象的なシーンになるんじゃないかと思います。


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今回は以上になります。

抜粋させて頂きはしたものの、今回とても良い作品ばかりで投票はもの凄~~~~く迷いました。当然投票の枠はフルに活用してたっぷり感想も書いております。中には上記の4本と同じくらい「あ、すき」ってなったMADもございます。
あくまでも今回は使用されてる原作ソースの面でも語らずにはいられなかった4本を、といったところです。

次回があるかは分かりませんが今回はこのようなところで。
スィーユーアゲイン。

【あとがき解説】キリシュタリアとMADを作った話【オリュンポスMAD振り返り】

今年もAnipafeというイベントに参加をさせて頂きました(今回もFGO)。
イベント詳細


実は元々はイベント向けのカスタマイズという感じでもう少しわちゃわちゃしてる系のFGOMADを作ろうとしていたのですが、最新章プレイ後とあるキャラクターとの幻覚が中々収まらずそのままこちらに舵を切った次第です。

昨年も書いたので今年も、という訳で以下解説とあとがきをば。

FGO最新章の内容を含む為ネタバレ注意。








・登場人物、シナリオ背景に関して

ここはFateシリーズ、FGOの全てを語り出すととても終わらないので掻い摘んでお話します。説明を受けても分からないという人も多いと思いますのでふんわり把握して貰えれば幸い。シリーズプレイ済みの方はおさらいということで。


FGOは章立てのスマートフォンアプリとして更新が続いており、本MADの時系列としてはその最新章という認識でOKです。

現在進行中のシナリオはFGO全体の2部○○章といった感じです。
2部の大まかなシナリオ振り返りはこちらもご活用いただければと思います(隙あらば宣伝)。





最新章は=5章。舞台となる歴史(異聞帯)は神代のオリュンポスになります。

登場人物は同章に登場する勢力のグループ分けとして、

1.主人公(プレイヤー)&マシュ(主人公サイド)




2.破神同盟/味方となる英霊達(現地の協力者たち)




3.キリシュタリア・ヴォ―ダイム&サーヴァント・カイニス(対立するマスターとその相棒)


と、本MADに限ってはキリシュタリアを構成する要素の1つとして説明している為出番はごっそり削っていますが、彼の仲間たち(通称:クリプター、Aチーム)





4.オリュンポスの三神(デメテルアフロディーテ、ゼウス)、異星の神とその使途(現地の敵対勢力)






概ね上記の4つの陣営に分かれます。


既にご視聴頂いた方はなんとなく分かるかと思いますが、本MADでは主人公に加え、ライバルポジションのキャラクターであるキリシュタリアの2人をメインの軸に据えて制作しています。



・選曲とコンセプト

今回選曲となったのはkemuさん作詞作曲、PENGUIN RESEACHさんがカバーする「敗北の少年」です。(ちなみに元々は同アルバムの「雷鳴」という曲が真っ先に選曲の候補となっており、そこから同アルバムに収録のこちらの楽曲に流れた感じです)。
「勝利」と「敗北」というのはFGO2部における1つのキーワードだと思っているので、悩んだ末今回はこちらの曲を選びました。

冒頭15秒は前作の選曲の同アルバム内に収録されている「永世のクレイドル」のピアノソロバージョン。こちらは後述ですが、構成の都合上どうしても冒頭にパートを作りたかったので差し込みました。



これは私自身の傾向なのですが、選曲を決めると作り始める前に同じ選曲で作られているMADをしばしば見漁ります。今回は選曲の敗北の少年がMADの選曲として比較的メジャーだったこともあり観るに困らなかった訳ですが、


見事に少年が主人公の作品がほとんどだ!
※曲名に「少年」って入ってるし主人公が少年なのは自然です。


ならば自分は敢えて少年以外を軸に作ってみたくなるのが捻くれたMAD製作者の心情です(捻くれてますね)。

少年が主人公になるのがスタンダードな選曲において、主人公のライバルにあたるポジションのキリシュタリアという青年を軸に据えて作ることを本動画のコンセプトに設定しました。


実際のところでは曲選びの段階では主人公とキリシュタリア両方に歌詞が掛かる前提で考えていましたが、途中からは主人公サイドもどちらかというと「キリシュタリアを構成する重要な1要素」としての構成の仕方をしています。



・構成

基本的にはストーリートレースのMADなので各パート時系列順に沿って進んでいく内容になりますが、今回は私自身が手法として意識していたことを少しだけ。


ここ最近投稿したMADの幾つかで起承転結とは別にPREPというプレゼン等で用いられる手法をしばしば取り入れ、起承転結と組み合わせて構成したりしています。


P(Point:要点) ⇒ R(Reason:理由) ⇒ E(Example:事例・根拠) ⇒ P(Point:もう一回要点)

こんな感じです。

詳細を省いてざっくり言うと、

「冒頭にまず最も肝要な言いたい要点(と≒になる要素)、全体の主旨を言う」

「終盤までの間にそう足りえる理由・根拠を示す」

「以上を踏まえて要点を回収、結論」

みたいな作り方です(履行できているかは人によって見え方も変わってくると思うので、少なくとも自分の中ではイメージを通すという感じ)。


このMADでいう要点は
「キリシュタリアというキャラクターそのもの(主人公との対比、目的etc)」 になります。

導入部分は曲自体に原曲よりも極端な緩急を付けることで視聴する方を引き込むことと、この要点の要素を断片的に投げかけ、伏線とする為に後付けで設けたパートといった感じですね。

合間合間で主人公とキリシュタリアが交互になるシーンに関しては台詞回しについても対を意識しつつ、ただほんの少しキリシュタリアが主人公の「先を進んでいる」感じは意識しつつ挿し込んでいます。この辺りは2人の関係性からの説明ですね(本質的には似た者同士なものの、対立は避けられない)。







「これは私の冠位指定」という台詞は実際に本編でのキリシュタリアの台詞です。
直訳の「This is my Grand Order.」は我々がプレイする
   「Fate/Grand Order」というアプリ名への対も意識。



そして2回目の要点。冒頭で出したキリシュタリアが如何に主人公めいていたのか、証明しようとしたものがなんであったのか。そしてその最期までを見せるパートになります。

「"美しいもの"を証明する為に」⇒「"人の価値"を証明し続ける為に」




最後に結。シナリオを終えて既にいなくなった者たちから、答えを選択した主人公の旅路へのエールで〆。これを以て主人公たちは次の章に臨む、といった終わりとなります。


大筋は以上にて。

PREP自体は恐らく既に自然にやられている方も多数いると思いますが、ノウハウとして認識しておくと自分自身の作品の構成の「一貫性」の部分を客観的に観るフックになるかもしれません。※特段マストな方法という訳ではなく、あくまでも手法の一つとしてお考え下さい。



また、最近密かにマイブームになっている構成の手法を1つ。

私真理が勝手に「存在しない記憶」と呼んでいるものがあります。



ざっくり言うと、
ストーリートレースのMADでさり気無く投稿者の完全な妄想のパートを構成に差し込む
みたいな感じの構成の仕方です。これはそもそもがifのストーリーの構成とは違い、ストーリーの行間を妄想で補完するというイメージです。


ちなみに他の方のMADで存在しない記憶と思われるものを観た時は
お、いい存在しない記憶キメてるねぇ!」とか言ってます(※嘘です)。


前回のMADでは英霊マンドリカルドの独白パート、
今回のMADでは以下の写真がそれに該当します。



本編ではキリシュタリアが「一緒に世界を救いたかった」と述べたのはAチームという括りで、キリシュタリアは主人公の背を押しこそしたものの、そこに主人公は含まれていませんでした。本編でも彼らが隣同士に立つことは決して無く、存在し得ない写真です。

だけどこっちはお前と一緒に世界を救いたかったんじゃい!!!!!!!!!!

現場からは以上です。

違和感の有る無しに関わらずそもそも存在しないシーンをストーリー内に混入させる為、ソース選びやシナリオの部分で被った際にも大なり小なりオリジナリティが出るのが1つのメリットかなと思っています。


ちなみに細かい部分ですが写真の右下には日付が刻んであります(後から見たら非常に見え辛かったので気付く人いないだろうという自戒)。
その日付は「2017.1.1」。FGOのリリース後最も早く終局特異点を攻略し、初期からプレイしていたユーザーであれば無事に人理修復が成った直後の日付になります。

存在しない記憶を使ったパートに関しては個人的に、FGOプレイしてない人には「こんなシーンがあるのね」と違和感なく思わせたら。プレイしている人には「こんなシーンあったね。あったね?」と思わせたら勝ちです。


・テーマ

青年だってあと10年若ければ少年です。みたいな屁理屈を捏ねながらもコンセプトを設定し構成を練り、その過程でコンセプトとは別にテーマというのも設定しました。

「主人公になれなかった青年から主人公になった少年へ」


かつて少年として敗北を経験し、這い上がり、青年となったキリシュタリアから敗北した少年少女であるFGOのプレイヤー、ひいては現実の私たちへのメッセージという形で曲の解釈を変えた形で着地しました。

敗北の少年という曲自体も重ねて聴き、歌詞から個人的に「少年」以外にも「少年に語りかける誰か」といる存在がいる解釈を取った次第です。

平凡を謳え

 現実を謳え

 我々は泥を這いつくばるものである

 我々は地を這うものである

 人間とは負けて当然の生き物である

 故に、一度や二度の敗北で人の価値が落ちることはない


一部本編の台詞の要約になりますが、概ねこういった内容がキリシュタリアからのテーマ兼メッセージであるとイメージしました。負けや挫折は人間である以上当然のこと。何度凹んでも這い上がろうぜ、というやつです。

なんか1つの人生観みたいですね。

以下はライターの那須きのこ氏のブログからも抜粋。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そう、人間は正解を選べない。

いつだって大切なのは、「この後、何をするか」なのですから。

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・おわりに
以上、本MAD自体はFGOをやり込んでいる人向けのMADだと思っていますが、そうでない方にも何かしら伝わる部分があったなら幸いでございます。
(Anipafe自体は今年は例年以上に全体のレベルが高く混沌としているので、欲を言えばとりあえずキリシュタリアやカイニスというキャラクターは覚えて帰ってくれれば本望です。)


↓おまけ(製作期間中に元気をくれた動画)



長くなってしまいましたが今回はこの様なところで。
スィーユーアゲイン。



にっちさんのMADを語る【リクエスト企画】

という訳で熱烈にオーダー頂いたので上記ブロマガです。
最近推してるMAD製作者にっち氏の作品で5選して勝手に感想を書いてこうという感じです。

それでは早速


1. YOURS | ヴァイオレット・エヴァーガーデン


選曲とそれに合わせた構成が素晴らし過ぎる。anipafeに出てたら選曲賞入れてた。たぶん
編集の内容もシンプルかつ丁寧几帳面、構成も本当に最初から最後までのパート1つ1つに意図を感じる。好き。

MAD全体のテーマとしてはギルベルトからのメッセージ(手紙)として解釈しました。
ギルベルトがヴァイオレットに対して抱いていた感情を歌詞を通してイメージすると妄想が捗ります。特に、

「この世界はすべて君のものだ」

ギルベルトが世界そのものだったヴァイオレットに対してのギルベルトから言葉としてピタッとハマっていると感じました。正直歌詞から合う作品を探したのか、作品に合わせて合致する曲を探したのか分からないレベル。

雰囲気だけじゃなく世界観や歌詞まで含めて曲と作品が一体になってるMAD、大好物です。

2. FRAGILE[傷物語]


最高にクールな傷物語MADです。クール過ぎてもうクールです。
なんならDSK氏の祭物語とこの作品の2つで火が点いてすごい久々に傷のMAD作った。

私の中での傷物語のMADは

熱血 ⇒ 少年漫画的な熱さ
鉄血 ⇒ シュールさ、独特なポップさ
冷血 ⇒ クールさ、恐ろしさや美しさ

原作を構成する要素からMADの方向性としてこんな感じ3つの大分類で観ています。
こちらのMADはそんな冷血の極致だと思います。個人的には最クールです。

インストを使用した選曲も相まって公式PVみたいな雰囲気が出ており、テキストの使い方もシンプルかつお洒落。

こういう雰囲気のMADって後天的な技術とかよりも天性のセンスとかの部分が肝要だと思うので、出せる人って結構限られるんじゃないかなと思います。

3. 上昇気流【響け!ユーフォニアム MAD】


熱い。熱血っ!て感じの熱さじゃなくて青春っ!!て感じの熱さ。
また、最初から最後まで一緒に走ってるみたいな爽快感/疾走感があります。

しかしながらただ無心に走りっぱなしという訳でもなく、間奏の後にスッと入るクールタイム(ここでも勢いは残ってて、むしろ助走みたいな感じ)......からのラスサビ等、緩急のつけ方も絶妙でテンションが上昇気流です。

切り抜きやエフェクトの差し込み方も自然、カットも細かいながらゴチャ付かず緻密というイメージで、このMADを構成するありとあらゆる要素が気持ちいいです。

ユーフォのMADだと1番好きかもしれない。

4. memento mori | 魔法少女まどか☆マギカ


異色な雰囲気のあるまどマギMAD。
魔法少女達の物語という側面よりも魔女という舞台設定を見せる作りになってます。

放映時に魔女の裏設定とか読み漁りましたよねわかるわかる。

まどマギにおいて物語が希望に向かう最重要なピースはアニメ・劇場どのフェーズにおいてもあくまで「鹿目まどか」だと個人的には思っているのですが、途中のパートでは俯瞰した視点のシーンしか出さず、最終的には棺に入れてfinです。徹底してます。

初見で観た時は正直「やられた!!!!」みたいな反応でした。

5. Re:Light*******【結城友奈は勇者である MAD】


にっちさんのヒット作。

実のところ作品自体は未履修で色んな人のMADを観ているくらいの知識なのですが、曲から感じる雰囲気はなんとなくイメージ通りど真ん中。またこのMADは特に歌詞とシーンの合わせ・シンクロに重きを置いている感じで、1人称の「僕」も常に意識しており、原作の物語の大枠が掴めてない中でもキャラクターの心情みたな部分がなんとなく推し量れて「ああこういう感じの話なのかな」という風に初見で観れた覚えがあります。

細かいところですが歌詞の入れ方なんかも邪魔にならないように配置を考えられてたり切り抜きを駆使したりしていて自然にスッキリと観れました。

6. 終わりから始まった物語 | ヱヴァンゲリヲン


ここ数ヶ月で観たMADの中では結構な個人的ヒット作です。

エヴァのMADで主軸になる部分っていうとなんとなくエヴァとか使途とかのド派手な戦闘シーンや世界観の要素みたいなイメージがあったんですけど、こちらは要所要所の歌詞をベースにしたシーン選びやら構成やらで色んな登場人物達の心情を群像劇的に表現するのに重きを置いてる感じが珍しいと思いました。

いやまさかゲンドウにまでフォーカスすると思わないじゃん...

上記だけ聞くと一瞬地味なコンセプトな気もしますが、盛り上げる部分は確実に盛り上げる作り方でジリジリ熱い感じです。2:08からラスサビのとこなんか上げ方がかなり好きです。

レビューが1つ多い?気のせいですよ。

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以上になります。
ついったーとかだと中々纏めて感想投稿するのは抵抗ありますが、性癖に刺さる新作上げてる作者さんとか見つけるとその人の過去作遡ったりする人の気持ち。

次回の予定とかは特にありません。
気になるMAD製作者さんとかいる方はどなたか流れに乗ってくれると嬉しいな←


またの機会があるかは分かりませんが今回はこの様なところで。
スィーユーアゲイン。

AniPAFE2019参加作振り返り

と、いう訳で投稿からお時間空きましたが、
AniPAFEの投票期間も終わったところで備忘録も兼ねまして



こちらの動画を作る際考えていたこと等をあとがき感覚でこっそり幾つか書き残しておこうかと思います。真理です。


ソースについてはいつも通りのFGOなのですが、折角のイベントだしいつもルーチンで作っているFGOの章MADでなく前々から作りたかった2部総集編的なMADにトライ。

とりあえずはFGO知らない人に対しても雰囲気だけでもかっこよく厨二心を刺激する感じに、あとはコンセプト等の面で他のFGOMADとは少しでも違った感じを出したいな~という初志の元作っています。

技術や編集の解説に関しては特別参考になるものもないので割愛。
(強いて言うなら女性陣のお尻とか太ももを切り抜いている時が楽しかったです)


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FGO2部のネタバレが気になる方はここよりブラウザバックで
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FGOの2部をやってないと伝わらなそうな話:構成に関して

必要な予備知識だけ簡潔に、ということでまずはFGO(2部)の登場人物を簡単におさらい。
(「fate」シリーズの予備知識は省略します。)

FGOの2部の物語は主人公の所属する「カルデア」の陣営を含め、概ね4つの陣営を軸に進行します。

1. カルデア陣営

主人公とそのサーヴァント達が所属する陣営。主人公サイド。
本物語での正史にあたる「汎人類史」の住人になります。

2. クリプター

カルデア陣営と相対するマスター候補及び彼らのサーヴァントたち。所謂ライバルポジ。
各々の思惑の元主人公と対立したり、時に協調したり、本編と全く関係ないところ爆発したりします。

3. 異聞帯の主と異聞帯の住人

異聞帯とはなんぞやという話はじっくり話すとまた長くなるので詳細は省略します。
比較的伝わり易そうな例としてざっくり説明すると、「織田信長明智光秀を返り討ちにして天下を取った末になんやかんやで人外になって○○百年君臨してしまった」みたいな起こりえない間違った歴史・パラレルワールドとお考え下さい。

彼らもまた、基本的には自分たちの異聞帯を守る為に主人公たちと対立します。


4. 異星の神とその使途

シナリオ中でもまだ謎が多い。黒幕っぽいしとりあえず悪そうな奴が多い。
クリプターに手を貸しつつ、各々独自の意図で暗躍します。


異聞帯・クリプター・異星の使途達に滅ぼされる側となった主人公達一行が自分達の歴史である「汎人類史」を守る為に「異聞帯」に打ち勝ち、下し、そこに住まう人々諸共異聞帯を滅していく、というのがざっくりとしたあらすじになります。



抜き出して見ると主人公サイドもなんだか悪者っぽいですが、実際否めないのです。

本MADを構成する上でなんとなく意識してみたのはダブルミーニング
コメントにも頂いておりましたが、本MADは動画内のあるポイントまでは意図的に主人公であるカルデアサイドの露出を削りつつクリプターをメインに。歌詞や地の文に関してはどちらの視点で観ても比較的意味が通るように合わせたり微妙に改変したりしています。

FGOの2部は王道な勧善懲悪の物語ではなく、主人公と敵のどちらが正義でどちらが悪なのかに答えは出ない旅、というのが現状テーマの1つだと考えているので、そのあたりがなんとなく雰囲気だけでも伝わればいいな~と思いつつ組んでいます。



曲を知らないと伝わらなそうな話:選曲とタイトルに関して

選曲に関しては世代の近い方は割とすぐ分かるかと思いますが、フルの前奏があまりにも長いことで有名な「激動」です。(前奏が長すぎるとダレそうなので前奏無しのTVsizeとフルのお尻をくっつけてオリジナル尺にしています)


タイトルについては曲中で頻繁に出てくる歌詞から引用。

RPG等で耳馴染みのある「Level」ではなく「Rebel」が正しいスペルになります。
(正しい文法かはさておいて)「Revel one」で「抗え」「叛逆せよ」みたいな感じです。


曲を採用した背景としては単純に好きな曲というのに加え、前述の構成と同様主人公とクリプターどちらを軸に観ても上記のタイトルや随所の歌詞に意味が通るというのが強いです。


誰が叛逆するのか
何に対して叛逆するのか

ここについても主人公とクリプター両視点でのダブルミーニングを意識しています。

気付く人のいなそうな小ネタ

動画内の地の文に関しては基本的にはPVやCMの台詞/地の文の流用もしくは改変をして入れているのですが、1箇所だけFGOとは関係ないソースから流用している一文があります。


「やがて棄て去る為にある悲しみ」


こちらのフレーズは坂本真綾さんのスクラップ~別れの詩という曲の歌詞と5月のロードエルメロイコラボ内の台詞を組み合わせた流用改変です。

真綾さんの名前と曲名で何となく察した方もいるかもですが、実はFGOと関係無いようで関係のある曲だったりします。(これは意外と知ってる方も多いかも)


↓以下ライターである奈須きのこ氏のブログより引用
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~FGO』のプロットは坂本さんの『スクラップ』を聴きながら書いたものなんだ。ロマンが10年で得た答えと、スクラップの雰囲気がメチャクチャ近くて、

FGO』のOPを決めろ? なら坂本真綾のスクラップがいい」と武内に返したところ、

それなら坂本さんに新曲をやってもらおう、という話になったんだなこれが。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2部においては既に過去になってしまったロマニとダヴィンチとの別離、またこれからも乗り越えていく悲しみを表すフレーズとして差し込ませて頂きました。

切り抜きや色調の作業中は倣って私もスクラップ他真綾さんの曲を聴きながらしていたり。FGO1部まで既プレイの方は気が向いたら是非聴いてみて頂きたい。


さいごに

結果としては割と自分の作りたいものを作りたいように作った感があるMADですが、最近はこういう参加型イベントみたいなノリじゃないと普段と違うルーチンで作品を作ろうとしても中々重い腰が上がらないので、そういう意味でも参加させて頂いて非常にありがたい限りです。
今後も引き続き隙あらば自分得を意識した動画を上げていきたいところですね。

↓ちなみに今回同じく好き放題作ったという意味ではこんな動画も。


テーマは「とあるマスターの勝利と敗北の歴史」でしょうか。


またの機会があるかは分かりませんが今回はこの様なところで。
スィーユーアゲイン。